【レビュー】『Blackberry Honey 〜メイド物語〜』クラシックな雰囲気が独特な百合ノベル

PC

こんにちは!あどぽっぽです(@adpoppo_blog)。

かなりお久しぶりになりました。

今回は百合ノベルゲーム『Blackberry Honey 〜メイド物語〜』のレビューになります。

対応ハードPS、Switch、Xbox、PC
発売日2017年10月25日
ジャンル百合ノベルADV
プレイ時間約3時間
開発・発売元ebi-hime

本作は19世紀半ばヴィクトリア朝のイギリスを舞台とした百合ノベルゲームです。

主人公は貴族のお屋敷に仕えるメイドであり、働きながら相手役のメイドとの絆を深めていったり、あるいはメイドの同僚と交流したり仕えるお嬢様の人となりについて理解していったりします。

選択肢やキャラクターボイスはなく、テキストを読み進めるのみの形式になっているため、ルートやエンディング分岐、ヒロイン選択等はありません。

そのため少々ボリュームは少なめですが価格も高くはないですし、ノベルゲームもボリューミーなものが多い昨今では、手を出しやすいタイトルになっているとも言えます。

イラスト、テキスト、音楽の端々からヴィクトリア朝のクラシカルな雰囲気を感じさせる

本作品は海外でSteam中心に百合ゲームを多数開発しているデベロッパーebi-himeさんより販売されています。

日本語化されている作品はあまり多くはなく、本作『Blackberry Honey』は貴重な日本語作品です。

そのせいか翻訳されたテキストに少し違和感を感じることもありますが、それが逆に『ナルニア国物語』などのようなイギリスの児童小説のようなテイストを感じさせる仕上がりになっています。

また舞台がヴィクトリア朝イギリスの片田舎ということで、刺さる人にはとことん刺さる雰囲気があります。

特に所謂メイド喫茶とは違うクラシカルなデザインのメイド服がすごく可愛いと思いました。

メインの舞台となるお屋敷の背景なども凝った見た目になっているので、当時のインテリアなどが好きな人には堪らないでしょう。

シナリオクリア後には開発者が実際に取材した資料写真を見ることができるという嬉しいオマケモードがついています。

19世紀イギリスの田舎を舞台に描かれるシビアな人間関係

本作は舞台が19世紀ヴィクトリア朝イギリスの田舎、その地域の貴族レナード家に仕えるメイドたちのお話ということですが、決して明るい話とは言えません。

主人公のロリーナは以前仕えていたお屋敷でのある事件がきっかけでレナード家にやってきたメイドで、その事件が知れ渡っているために周囲の人物からの風当たりが非常に強いです。

まずロリーナの同僚メイドたちとして、後輩メイドであるロリーナのことを徹底的にイビる先輩メイドのポーリンとイソベル、弱気なエイダ、空気の読めないリーゼロッテ、口数の少ないエフィ。

ポーリンとイソベルによるロリーナへのいじめはあからさまかつ陰湿で、他の同僚の3人もそれぞれの性格ゆえにほとんど助けてくれないという厳しい環境。

ただハウスメイド=家事を行うメイドの厳しい仕事から少しでも逃れるためにロリーナに仕事を押し付けるポーリンとイソベルは要領が良い立ち回りと言えますし、他の同僚3人もいじめの対象にならないようにロリーナの助けに入らないことは賢明でしょう。

当時のイギリスでは社会的地位が決して高いとは言えない彼女たちハウスメイドの有り様をよく表している、ということかもしれません。

またレナード家の一人娘・コンスタンスお嬢様もとんでもないワガママ、傍若無人っぷりで、12歳とは思えないような性悪さを発揮してロリーナを苦しめます。

彼女はかつて家庭教師として訪れていた女性と愛し合った(お嬢様は12歳!)ものの、母親により引き離されてから誰かと関係を深めることをやめてしまったという悲しい境遇。

人と信頼関係を築くことをやめたものの、いじめていたロリーナに対して徐々に自身の心情を徐々に吐露していく…というおそらく本作最も複雑なバックボーンを持つ名キャラクターだと思います。

以上のような厳しい環境で、周囲の人物から容姿も性格も際立っている相手役・タオファの存在が、本作のストーリーにアクセントを加えています。

タオファは接客等を行うパーラーメイドで、ロリーナたちハウスメイドよりも高い地位にあり性格的にも余裕のあるお姉さんといった雰囲気。

はじめは彼女を苦手としていたロリーナも、グイグイくるタオファに徐々に惹かれていきます。

主人公であるロリーナが弱気で受け身な姿勢になりがちなので、ストーリーを動かすのはロリーナよりも積極的なタオファの方が多かったような気がします。

以上のように主人公の周りはシビアな人間関係が展開され面白い背景を持つキャラクターも少なくはないのですが、掘り下げが不足していたり、掘り下げたのにそのまま放ったらかしでエンディングになったのが残念だなと感じました。

その点について以下で書いていきます。

一部のキャラクターを放り投げてストーリーが終わってしまう

さて、少々ネタバレになってしまいますが、本作のストーリーはロリーナとタオファが駆け落ちする、という形で幕を閉じます。

田舎から離れロンドンの都会に移り住む彼女らだけを見れば間違いなくハッピーエンドです。

しかし、その駆け落ちは他のサブキャラクターを完全に放置しており、物語としては非常に消化不良感が残るものでした。

その最たる人物が、自己中心的な暴君っぷりを発揮しながらも徐々に自身のことをロリーナに打ち明け始めていたコンスタンスお嬢様。

終盤にはロリーナに(彼女を試すために)キスもしておりプレイヤーに期待感を持たせておきながら、ロリーナへのいじめのような酷使は終わることなく、結局付き合いきれないという形でロリーナはタオファと共に屋敷から夜逃げします。

本作は選択肢のないノベルゲームでお嬢様ルートというものも存在しませんし、主人公ならきちんと周りの人物の悩みや問題を解決してほしい…と思わずにはいられませんでした。

一方でこのロリーナという主人公自身、あまり恵まれた環境で育ってきたとは言えないキャラクターですから、格差の激しい当時のイギリスで自分の幸せを優先するのは妥当なのかな、とも思いました。

どちらにせよコンスタンスお嬢様がその後どんどん歪んで育っていくんだろうなあ…と思うとちょっとモヤモヤしますが。

あとはロリーナが来たことでポーリン・イソベルの先輩メイドペアからいじめられなくなっていた弱気なエイダも取り残されていますし、その後大丈夫なのかなあなどと思いましたね…可哀想。

まとめ

以上、『Blackberry Honey 〜メイド物語〜』の感想でした。

舞台が舞台なだけにマニアックな部分があり、また癖のあるキャラクターが多いため人を選ぶ百合作品だと思いますが、クラシックなメイドさんなどが好きな方には結構刺さるのではないかなと思います。

Steamで既に発売されているebi-himeさんの作品もさらに日本語化が進んでいってほしいですね!

ご覧いただきありがとうございました!

Blackberry Honey ~メイド物語~ ダウンロード版
任天堂の公式オンラインストア。「Blackberry Honey ~メイド物語~ ダウンロード版」の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch(スイッチ)やゲームソフト、ストア限定、オリジナルの商品を販売しています。
Blackberry Honey ~メイド物語~
メイド、音楽、そして恋愛が織りなすヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台にしたラブストーリー。
Steam:Blackberry Honey
メイドさんや音楽関係の要素を含み、予期せぬラブロマンスを盛り込んだ、ヴィクトリア朝イングランドが舞台のレズビアン・ラブストーリーです。

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