【百合レビュー】『雨夜の月』聴覚障害がテーマの百合漫画

百合レビュー

こんにちは!あどぽっぽです。(@adpoppo_blog)

今回は漫画『雨夜の月』の感想になります。

作品紹介

作品名雨夜の月
著者くずしろ
巻数既刊1巻(2021年10月時点)
出版講談社(ヤンマガKCスペシャル)
高校進学を控える主人公の金田一咲希は、ピアノのレッスンに行く途中に見たことのない美少女とぶつかってしまう。
その少女はなんと、進学した高校の同じクラスで、隣の席だった。
運命的な出会いを感じる咲希だが、その少女・及川奏音は聴覚に障害があった。
周囲との壁を自ら作る奏音に、咲希は積極的にアプローチしていく。

本作は聴覚に障害を持つ少女とその周囲の人々を描いており、チャレンジングな作品となっています。

著者は『姫のためなら死ねる』や『兄の嫁と暮らしています。』などなど、多くの作品を生み出しているくずしろ先生。

数々の百合漫画を描いている方だけあって、このようなテーマの作品でも百合描写がしっかりしています。

作品の感想

1話から相合傘!

高校入学初日の自己紹介で初っ端から「構わないでください」と言い放ち自ら孤立する奏音ですが、それでも諦めず話しかけてきた咲希に1話にして即堕ちしています。

それでも完全には心を開いてくれない奏音ですが、2話以降も咲希の積極性がガンガン奏音の心の壁を壊していくのが爽快です。

まだ奏音と距離を感じる咲希。でもこの後すぐに…?

このタイプの子はデレるまで時間がかかるのが常ですが、あっさり仲良くなってもらえるとイチャイチャが長く見られるので嬉しいです。

(ツンツンを乗り越えたカタルシスとか、その後のギャップがあるイチャイチャも好きですけどねw)

お互いが1話で下の名前呼びになるのもいいですね!

さて、百合漫画としての感想を語ってきましたが、本作は聴覚障害を持つ少女がメインのストーリーです。

作中には枠外に聴覚障害に関する注意書きが書かれたシーンがありますし、巻末にも参考文献が載せられており、しっかりした調査の上で本作は描かれています。

奏音の自己紹介(?)シーン。

今時は当然だとは思いますが、一人の当事者への取材やイメージだけで書かれてはいないのが好印象です。

余談ですが、私は昔、視覚に障害を持つ人たちとボランティアでご一緒したことがあります。

彼らには白杖や盲導犬、歩行介助者といった分かりやすい「目印」があります(もちろん、程度によってそれらを使用していない方もいます)。

ただ聴覚に障害を持つ方は、パッと見て「この人は耳が不自由なんだな」とは分からないんですよね。

まさに目では見ることのできない「雨夜の月」そのものです。

だからこそ誤解を受けやすいし、「本当は聞こえているんじゃないの?」とか思われたりする。

でも障害があるのが視覚だろうと聴覚だろうと、それ以外は「ない人」と同じだということは、覚えておきたいところです。

キャラクター感想

金田一咲希

咲希の明るさと積極性が落ち込んだ奏音を救います。

聴覚に障害を持つ上、周囲からの孤高を保つ奏音に対して積極的に踏み込んでいくバイタリティと主人公適正溢れる少女。

周りが奏音から離れていく中で、「ちゃんと理解したい」「傷つけたくないからって一切関わらないのはさみしい」を原動力に動いています。

「常に相手の立場になって考えましょう」なんて無理だと奏音は言っていますが、咲希はそれができるかもしれない優しさを持っています。

この後の咲希の顔ですよ。

一方で、咲希は以前のピアノの先生や奏音に対して明確に恋愛感情を持っている描写がなされています。

テーマはどうあれ百合漫画、彼女の想いが今後どう実っていくか注目ですね。

及川奏音

奏音の初めて見せた笑顔。

聴覚に障害を持つ、本作のヒロインでありキーキャラクター。

過去に聴覚障害が原因で親友を失ったことから周囲と距離を置いていますが、あくまで普通の女の子なので、咲希や初対面のクラスメイトにも簡単にデレます。

クールビューティーな彼女ですが、笑うと幼い印象でギャップがすごくかわいいです。

他にも怒ったり照れたり泣いたり落ち込んだり、非常に表情豊かで魅力的。

咲希を見つけた途端、「ぱあっ」と擬音が付くほどの良いお顔。

しかし咲希とは違い恋愛対象は男性で、ドラマの男性俳優に夢中になる女の子です。

聴覚障害ゆえの心の氷は1巻にしてほとんど融け切った気がするので、2巻以降は咲希に対してどう心が動いていくのかが気になります。

まとめ

以上が作品の感想となります。

前述したように視覚に障害を持つ方々と関わっていた私にとって、本作はただの百合漫画以上に先が気になる作品となりましたね。

ただ百合描写も1巻の時点では友情、そして今後は恋愛関係が期待できる、かなり濃密な作品になっています。

百合漫画としても名作になりそうなので、ぜひ読んでみてほしい作品です。

読んでいただきありがとうございました!

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